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坂の上の雲 [読書録]

私も若くはないので(笑)、
司馬遼太郎にはまるのもいいかしらんと思って、
http://blog.so-net.ne.jp/futuken/2007-10-12-2
読んでいます、
司馬遼作品の中でも読者を酔わせそうな「坂の上の雲」。

司馬節、全開です。

「病床六尺」を読んで以来、子規びいきなんですが、
私の期待を裏切らない子規像。
病人なのに、しおしおしてない。
野心的なのに、お金に汚くない。
野球のエピソードも含め、全体に「明るさ」のある人です。

ただ、田辺聖子の「古典の文箱」を読むと、
田辺さんの学生時代は、
短歌の万葉、俳句の写生一辺倒だったそうで、
既に子規の俳句・短歌の改革運動が「権威」になっていたことを
うかがわせます。

「坂の上の雲」に戻りますが、
今、文庫本で3巻を読み終えたところ。
お気に入りの子規が死んでしまって、
私はちょいとがっかりです。
そしてついに日露開戦。
弱小国、日本、必死のパッチです。

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫


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スペイン回想 [読書録]

スペイン語学習はあまりスムーズに進んでいないのですが、
モチベーションダウンを食い止めるために
スペイン関連の書籍を図書館で選んでみました。

俳優の天本英世さん(残念ながらお亡くなりになりましたが)が
82年に出されたのがこの「スペイン回想」。
この本の前に出された「スペイン巡礼」で、
7ヶ月間スペインを放浪された体験記をつづっているようで、
それを読まないとどうも、著者のスペインに対する思いが
分かりにくいのですが、スペイン市民戦争、ロルカ、フラメンコなど、
スペイン独自の歴史や背景がうかがえます。

スペインに比して、日本の現状を憂える記述もかなりあります。
戦争を体験しておられるせいもあると思いますが、
私のような能天気な世代とは随分違う厳しい見方。

そして、スペインはフランコによる独裁があり、
その前にはスペイン市民戦争という内戦があった国。
フランコ独裁なんて、ついこの間のことなんですよね。
もう少しスペインについて知りたくなりました。

この本、絶版なんですが、アマゾンで5000円の値がついています。
びっくり。

スペイン回想―『スペイン巡礼』を補遺する (1982年)

スペイン回想―『スペイン巡礼』を補遺する (1982年)

  • 作者: 天本 英世
  • 出版社/メーカー: 話の特集
  • 発売日: 1982/07
  • メディア: -


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古典の文箱 [読書録]

古典の文箱

古典の文箱

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 単行本

モーレツに忙しくて、今日も仕事。
明日も仕事。
いつになったら休めるんだ!!

寝る前の一瞬だけ、読書に時間をあててますが、
こういう、むちゃらくちゃらなときは、
エッセイやコラムが読みやすいものです。

古典に造詣の深い田辺聖子の
古典ご紹介エッセイとでもいいましょうか。
「源氏」にはじまり、「更級日記」「伊勢物語」「平家物語」に
短歌、俳句、私も大好きな「雨月物語」に「東海道中膝栗毛」まで
縦横に語っておられます。

フランス語やスペイン語をやったり(ものになってないけど・・・)、
ちょいちょい海外旅行に出かけていても、
私はやっぱり基本は「和」が好きなんです。
日本を知るために海外旅行をしてるんじゃないかと
思えるくらいです。

円地文子しかり、安西篤子しかり、杉本苑子しかり、
こういった先達の方々に手引きされる古典の世界。
思いっきり逃避したいけど、そんな時間がないわーーー。


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正岡子規 [読書録]

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

  • 作者: 坪内 祐三
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: -

実は街で何度かすれちがったことがある
坪内祐三氏(すれ違っただけなのに、もう呼び捨てにできない・・・)。
表題にあるように、夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、
正岡子規、尾崎紅葉、斉藤緑雨というそうそうたるメンバーが、
実は同じ慶応三年生まれということに着目した本です。

日本近代の「若い」時代だったんですね。
現代との評価の違いも面白かったです。

一番印象的だったのは、
この本を読むまでほとんど興味がなかった正岡子規。
教科書によく載っているあの横顔の写真の
印象だと「おじいさん」だし、
俳句そのものも「じじくさい」(すみません)印象だったんですが、
非常にエネルギッシュな人だったようです。
そして亡くなったのは34歳(あの写真、よく見るとそんなに
老けてはいないんですが、で、でも30代には今でも見えない・・・)。
若い。
俳句の改革という大仕事をその年齢で
やってしまっているわけです。
しかも何年も結核を患っているので、健康体ですらなかったのに。

さらにその「病人イメージ」を裏切るように、
野球を大いにやっていた(実は野球殿堂に入っているらしいです)のにも、
びっくり。

続いて「病床六尺」を読んでみたんですが、
これも予想を裏切ってジメジメ感ほとんどなし。
病気の状況も書かれているので、実に辛い状況なんだと
思うのですが、愚痴っぽくなってないのがすごいです。
子規という号も、結核で血を吐くさまをホトトギスに擬したもの
だそうですが(子規はホトトギスという意味)、
それは自己憐憫ではなくて、自分を突き放して見ている感じがします。
精神的に非常に強い人だったのかもしれません。

病牀六尺 (岩波文庫)

病牀六尺 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/07
  • メディア: 文庫


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最近読んだ本 [読書録]

斎藤佑樹くんと日本人 (文春新書 (568))

斎藤佑樹くんと日本人 (文春新書 (568))

  • 作者: 中野 翠
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 新書


最後の波の音 (文春文庫)

最後の波の音 (文春文庫)

  • 作者: 山本 夏彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫


新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: ラフカディオ ハーン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 文庫

なんだか脈絡ない3冊ですが、最近読んだ本。

「斉藤祐樹くんと日本人」は、好きな中野翠ですが、
斉藤くん賛美にちょっとひいちゃったかも。
斉藤投手が対戦にあたって「わくわくする」というのは今までにない
新しい感覚ではないかと書かれてましたが、
ドラゴンボールの主人公もよくそう言ってるし(比べちゃダメかな?)、
いまどき特に新鮮味はない気がします。
まー、今、イケメンと言ってもてはやされるのは、
ホストみたいな人(茶髪・シャツ胸開け・眉整えすぎ・前髪長い)が
多いので、斉藤くんに日本人の良心を見た!って感じになるのも分かりますが。
しかし、斉藤投手から市川雷蔵(確かに優等生ぶりが似てるかも)など昔に
遡るくだりは中野さんの真骨頂!だと思いました。

山本夏彦はいつも通り。
もう読めないのが寂しいですね。

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の
「日本の面影」は想像以上に楽しく読めました。
明治期の日本にタイムスリップした心地。
異なった文化を愛することができるというのは、
柔軟な知性とともに思いやりのような心も必要なのかもしれません。
しかし、日本の古いものを捨てて、懸命に西洋のものを
取り入れていた当時の日本人は、この本を読んで驚いたでしょうね。
虫かごに秋の虫を入れて、虫の声を愛でる、
そんな風流もなくなってきた平成日本ですが。


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久しぶりの司馬遼太郎 [読書録]

歴史の中の日本 (中公文庫)

歴史の中の日本 (中公文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 文庫

中学、高校のころはわりとよく司馬遼太郎を読んでいたんですが、
どうもなにか「歴史を分かった気になりすぎる」という気がして、
少し敬遠していました。
読んだとしてもあまり入り込まないようにと。

夏に出雲へ旅行したとき、前もってその土地のことを知ろうと
何冊か本を読みました。
(こういうところ、私、けっこうおじさん臭いですね)
それなりに面白かったものの、新たに心をつかまれるような
ことはありませんでした。

で、つい先日。急に待ち時間ができたので、
書店で買ったのが上記の「歴史の中の日本」。
昭和30年代から40年代という初期に書かれたエッセイ集です。
購読の決め手になったのは冒頭の「生きている出雲王朝」。
いまだに出雲というのは、鎌倉、平安、奈良を越えて
出雲王朝が生きている、語り部も存在するという話。
面白い話でした。
たった数冊ですが、私が読んだ出雲関係の本を越えて、
出雲のエッセンスがつかめるような気がしました。

やっぱり面白いんだなぁ。
面白すぎるくらいに。
私も充分大人だし、また司馬遼太郎の面白さに
おぼれてみてもいいかなぁ。


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向田邦子と森繁久弥 [読書録]

森繁の重役読本 (文春文庫)

森繁の重役読本 (文春文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1993/01
  • メディア: 文庫

古書店で見つけた文庫本。
森繁は森繁で好きなんですが、
よく見ると作者が向田邦子だったので
手をのばしました。

向田邦子がまだ駆け出しの脚本家(放送作家?)だったころ、
森繁に気に入られて、「重役読本」というラジオ番組を
書いていたそうです。
ひとつひとつは短いですが、
楽しく読めます。

放送はたぶん昭和40年ごろ??
今と比べて昔の重役さんはずいぶんのんびりしています。
もっとものんびりしているのは重役だけじゃないのでしょうが。

最初期の向田邦子の作品ですが、
「重役」のイメージには既にのちの作品に出てくる
男性主人公の影が濃厚にあります。

あとがきには向田邦子が、自分を抜擢してくれた
森繁に対する感謝の言葉があります。
こうやって若い才能を引き上げるのは
ベテランの大事な仕事のひとつなのでしょう。
しかし、結局、見出されたほうの向田邦子は、
才能を開花させたものの(森繁の目の付け所はすばらしかった!)、
不幸な事故で逝ってしまうのが、やりきれません。

下は続編です。

六つのひきだし―「森繁の重役読本」より (文春文庫)

六つのひきだし―「森繁の重役読本」より (文春文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 文庫


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橋本治は話が長い [読書録]

権力の日本人 双調平家物語 I (双調平家物語ノート (1))

権力の日本人 双調平家物語 I (双調平家物語ノート (1))

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/03/30
  • メディア: 単行本

今日はもうすっかりよくなりましたが、
昨日はいちおう家で寝ておとなしーく過ごしました。

そんなにひどい風邪でもないし、
家で一日寝られるのはいいもんです。
例によって、読書三昧で、
橋本治による「双調平家物語」の副産物?「権力の日本人」を
読むことにしました。
しかし、これ。。。。
352ページで、しかも二段組ですよ。
二段組の本なんて久しぶり。

ほんとに、橋本さんったら、どこまでも話が長い人で、
実はこの「権力の日本人」の副題が
「双調平家物語ノートⅠ」。
Ⅰって・・・・・。
これで終わるつもりじゃないのね。
352ページもあって、しかも二段組で(笑)。

まだ四分の一くらいしか読んでませんが、面白いです。
感想は後日。

しかし、「双調平家物語」自体、もう14巻なんだけど、
終わる気配がないんだよなー。
http://blog.so-net.ne.jp/futuken/2007-09-28

で、こうやって寝ている日に限って、
ケータイが鳴り、久々のメンバーで食事会のお誘いが。
さすがにそれは行けないよー、とお断りしちゃって残念な思いをしました。


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ポルトガルも良さそう [読書録]

ポルトガルおいしい旅日記―リスボンからアソーレス諸島まで

ポルトガルおいしい旅日記―リスボンからアソーレス諸島まで

  • 作者: 小波田 えま, 栗山 真由美
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本

以前、スペイン語学習モチベーションアップのため、
スペイン関連の紀行本を探しに書店に行ったところ見つけた本。
えー、ポルトガルの本なので、語学力モチベーションアップに
ならない・・・のですが、まー、お隣の国なので・・・???

イラスト中心で、おいしいものやかわいいものが
たくさん載っていて、気軽に読めます。
アソーレス諸島も楽しそうだけど、まずはリスボンに行ってみたい。
・・・なんて、この本によってすっかりポルトガルに
行く気にされているのがスゴイです。

スペイン版でもこんな本、出たらいいなぁ。

巻末に「ポルトガルのことば」が載っていますが、
スペイン語によく似ています。
ちょっときつい方言レベルの差のような気がします。


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双調平家物語 既刊は読破 [読書録]

双調 平家物語〈14〉治承の巻2(承前)・源氏の巻

双調 平家物語〈14〉治承の巻2(承前)・源氏の巻

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本

忙しい、忙しいと言いながら、そして実際忙しいんですが、
本だけは読んでるんですよね。
そんな暇あったら仕事せい・・という声も聞こえてきそうですが、
唯一の趣味なのでお許しください。

ほんとはブログに、読んだ本の感想は短くても
すべて書き込もうと思っていました。
実際、この「双調平家物語」も3巻までは1冊ずつアップ
してたんですが、やっぱり面倒臭くなり、
14巻まで読破するのが先になってしまいました。
と、いうことで、4巻から14巻までの感想。

日本の政治?というか権力構造の原点が平安時代にある
というのが、橋本治の言いたいことなのかもしれません。
なんとなくですが、私の感覚だと平安時代以前って、
今の日本に直結していないというか、
中国を模した王朝というものから脱した鎌倉以降が
日本文化の礎みたいな思いがありました。
が、どうやらそうでもなさそうだ
という感じは確かに受けました。

私が「平家物語」に期待していたものは、
ひとつは軍記ものとしてのかっこよさ。
確かに戦闘シーンはなかなか!
為朝、義平が今のところの双璧か。
戦闘場面でも、鎧甲冑の詳細な説明が入るのが
ちょいとみやびです。
でも、戦闘シーン、圧倒的に少ないんですよね。

もうひとつは「哀れさ」。
義朝が、庇護を求めてきた父、為義を見殺しにするところとか、
為義の子どもたちの行く末など哀れの一言
(て言うか為義は踏んだりけったりの人生です)。
反対に期待していた祇王とか仏御前のエピソード、
小督のエピソードなんかはほとんど同情できず。
袈裟御前と盛遠の話は、盛遠の馬鹿っぷりが腹立たしい。

そのほかの感想としては・・・
肝心の?清盛は、頭がいいんだか、悪いんだか、
人がいいんだか、悪いんだか、よく分かりません。
ヒーローのいない物語です。

びっくりしたのは藤原頼長などの男色ぶり。
ずっと日本では男色はタブー視されてなかったというのは
聞いていましたが、うーん、こいつはちょっと・・・。
寵愛というのは女性だけでなく男性にも適用されて、
それによって出世の道が開いたり、閉ざされたり。
すごいです。

とは言え、14巻では、以仁王の乱と頼朝挙兵まで。
富士川の戦いもまだだし、まだ清盛も生きています。
15巻、いつ出るんだろう?
そしていつまで続くんだろう?


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