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正岡子規 [読書録]

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

  • 作者: 坪内 祐三
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: -

実は街で何度かすれちがったことがある
坪内祐三氏(すれ違っただけなのに、もう呼び捨てにできない・・・)。
表題にあるように、夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、
正岡子規、尾崎紅葉、斉藤緑雨というそうそうたるメンバーが、
実は同じ慶応三年生まれということに着目した本です。

日本近代の「若い」時代だったんですね。
現代との評価の違いも面白かったです。

一番印象的だったのは、
この本を読むまでほとんど興味がなかった正岡子規。
教科書によく載っているあの横顔の写真の
印象だと「おじいさん」だし、
俳句そのものも「じじくさい」(すみません)印象だったんですが、
非常にエネルギッシュな人だったようです。
そして亡くなったのは34歳(あの写真、よく見るとそんなに
老けてはいないんですが、で、でも30代には今でも見えない・・・)。
若い。
俳句の改革という大仕事をその年齢で
やってしまっているわけです。
しかも何年も結核を患っているので、健康体ですらなかったのに。

さらにその「病人イメージ」を裏切るように、
野球を大いにやっていた(実は野球殿堂に入っているらしいです)のにも、
びっくり。

続いて「病床六尺」を読んでみたんですが、
これも予想を裏切ってジメジメ感ほとんどなし。
病気の状況も書かれているので、実に辛い状況なんだと
思うのですが、愚痴っぽくなってないのがすごいです。
子規という号も、結核で血を吐くさまをホトトギスに擬したもの
だそうですが(子規はホトトギスという意味)、
それは自己憐憫ではなくて、自分を突き放して見ている感じがします。
精神的に非常に強い人だったのかもしれません。

病牀六尺 (岩波文庫)

病牀六尺 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/07
  • メディア: 文庫


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