向田邦子と森繁久弥 [読書録]
古書店で見つけた文庫本。
森繁は森繁で好きなんですが、
よく見ると作者が向田邦子だったので
手をのばしました。
向田邦子がまだ駆け出しの脚本家(放送作家?)だったころ、
森繁に気に入られて、「重役読本」というラジオ番組を
書いていたそうです。
ひとつひとつは短いですが、
楽しく読めます。
放送はたぶん昭和40年ごろ??
今と比べて昔の重役さんはずいぶんのんびりしています。
もっとものんびりしているのは重役だけじゃないのでしょうが。
最初期の向田邦子の作品ですが、
「重役」のイメージには既にのちの作品に出てくる
男性主人公の影が濃厚にあります。
あとがきには向田邦子が、自分を抜擢してくれた
森繁に対する感謝の言葉があります。
こうやって若い才能を引き上げるのは
ベテランの大事な仕事のひとつなのでしょう。
しかし、結局、見出されたほうの向田邦子は、
才能を開花させたものの(森繁の目の付け所はすばらしかった!)、
不幸な事故で逝ってしまうのが、やりきれません。
下は続編です。
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