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この世には二種類の人間がいる [読書録]


中野 翠 / 文藝春秋(2007/03)
Amazonランキング:63022位
Amazonおすすめ度:

大胆にも人間を2種類に分ける、中野さん流、目の付け所が
面白い&おかしい&なぜかはっとさせる本。

その二分法とは、例えば・・・・

「とっとく」と言う人と「捨てろ」と言う人だ
なぜかコレクターという人には男が多いとは
中野さんのご指摘の通りだと思います。
男性のコレクター気質、というか情熱には
私には理解できないものがあるんですよね。
いわゆるコレクターとまではいかなくても、
例えば好きなミュージシャンのCDをとことん買い集めたり、
好きな作家をとことん読み漁ったりするのも男性に多いですよね。
その一途な情熱はいったいどこから?
私などは好きなものにはまりきれないというか、
自分でどこかブレーキをかけてしまうところがあります。

マニュアルを読む人と読まない人
段ボール箱の「ここを引っ張って開ける」というマークを見ずに、
他の間違った所から強引にこじあけて汗ダラダラになる…
うーん、私のことのようです。
「読む手間を惜しんで、結局のところ、元も子もなくしたり、
かえって何倍も手間がかかったりしてしまうのだ。
愚かなことだ」まったくおっしゃるとおり。
私は機械関係(テレビ、DVD、パソコンなど)が特に苦手です。
そしてデジタル化で年々ついていけなくなってます。

同志になりたい人とボスになりたい人
同志になりたい=タモリ ボスになりたい=たけし、だそうです。
あー、なんか分かります。たけし、殿ですからね。

踊る阿呆と見る阿呆
「サッカーのワールドカップ騒ぎの中で、
久しぶりにこのコトバを思い出した。何しろ世界中が阿波踊り状態」。
で、私も中野さん同様、ワールドカップは好きなんだけど
「どこか乗り切れないところがある」。
みんなと一緒になって外で騒いだりするのはとてもできない。
踊ったほうが楽しいんでしょうがねぇ・・・。

「モテ」を買う人と買わない人
要はお金を払って、ホストクラブだのキャバクラなどで
「モテ」ることを了とすること。
「おカネを払ってもてたところで、うれしくも何ともないじゃないか」。
確かにその通り。お金は他のことに使いたいっす。
典型的ホストのファッションについては、
「私にケンカ売ってるのか?!そのファッション」と中野さん。
ハハハ。これもその通り。好きになんてとてもなれないです。

で、私もふと浮かんだ、二分法。
「韓流ドラマにはまる人、はまれない人」
私は全然はまれないんですよね。
うちの母は好きなようですが。
はまって泣きながら全話見る人と積極的にチャンネルを変える人と
激しく分かれるような気がします。
別バージョンとして、「宝塚」「ジャニーズ」というのもありかも。


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双調平家物語3 [読書録]

双調平家物語 (3)

双調平家物語 (3)

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本

やばいです。
あまりにもオヤジ臭い趣味なので、あまり言いたくはないんですが、
実は歴史好きだったりするので、
いつまでたっても清盛が出てこない「平家物語」に
だんだんはまってきました。

清盛どころか、世はまだ平安時代にもいたらない、
ようやく平城京遷都という巻。
鎌足は諦観を抱いて世を去った印象。
その子、不比等へスムーズに
権力を委譲したわけではなかったんですね。
不比等は、後ろ盾もなく、自力で権力への道を
這い上がっていきます。

持統、元明、元正と三人の女帝が、
相次いでたちますが、持統天皇以外はまぁ、覇気がない。
1巻に出てきた中国の女性たちは権力に対して貪欲だったのに。

「窯変源氏物語」のときもそうでしたが、
橋本治の文章は冗長とも思えるほどのくだくだしさ、
源氏物語のときは女の手による物語を再び語るのに、
わざとこのくだくだしい感じを出しているのか?と思いましたが、
平家物語でも同じ調子。
のちのち、平家物語パートに入ったときの、
合戦の勇壮な描写はどうなるんだろう?
高校のとき、古文の授業で習ったときの
「かっこよさ」が再現されてるといいんだけど。

そうそう、NHKラジオで三夜連続の源氏物語特集みたいな
特別番組がありました。
一夜目のゲストが瀬戸内寂聴、二夜目は愛の流刑地の人(苦手)、
三夜目は橋本治でした。二夜目と三夜目を聴きましたが、
二夜目は下世話でしたねぇ。
橋本治の話は楽しかったです。
そう言えばラジオでは双調平家物語は脱稿したといってましたが、
最終編はいつ発売されるのかしら?


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双調平家物語2 [読書録]

双調平家物語〈2〉栄花の巻(1)承前

双調平家物語〈2〉栄花の巻(1)承前

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本


「平家」物語ながら、
2巻目にしてようやく蘇我氏の話が本格化しました。

馬子、蝦夷、入鹿のあたりは高校の日本史でも
(と言っても私の高校時代の日本史なのですでに20年前ですが)、
あまり触れられません。
さすがに昔のように「暴虐、傲岸不遜」だけでななく、
最近では再評価の声が高いような気がしますが、
輪郭がおぼろげな歴史上の人物の話を読むのは楽しいものです。

さて、この巻では、いわゆる「大化の改新」が描かれています。
この、どろどろと策謀渦巻く物語の中において、
特に若い鎌足と中大兄皇子の出会いのシーンは非常に印象的です。
ま、この二人も謀をするわけですが(しかも誰でも知ってる日本史上の大事件)、
青空の下、草の上で若く、理想に燃えた二人なのです。
この国には未だ「国家」というものがないと語る二人なのです。

その行いが正しかったのかどうかは、
また別の話なんですが、
清々しい、気持ちいいシーンでした。

蘇我の邸の描写など、
新しい発掘調査の結果を踏まえて書かれているような気がします。
早く3巻目が読みたい!
が、清盛はいつ出てくるの?


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風の影 [読書録]

風の影〈上〉 (集英社文庫)

風の影〈上〉 (集英社文庫)

  • 作者: カルロス・ルイス サフォン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫

翻訳ミステリー、去年の話題作なので、
何を今更という感じではありますが、
スペイン語も始めたことだし、珍しいスペイン発の
ベストセラーとして手に取りました。

舞台はバルセロナ、19世紀末から20世紀半ば。
1人の少年が「風の影」という本を手にしたところから、
物語が始まります。
主人公の恋、成長、友情、
複雑な登場人物達の人間関係、青春、亡霊、暴力・・・。
主人公と「風の影」の作者の人生も交錯。

登場人物の数は多いものの、女性は年寄り以外は
どいつもこいつも全員美人。
これだけ出てくると美人のありがたみも薄いうえ、
私がイメージできる美人の数の限界を超えてます(笑)。

確かに評判になっただけあって、
一度読み始めると止められません。
ジェットコースター感はダヴィンチ・コードのほうが
上かもしれませんが、バルセロナという魔的な町の
味わいがあるこの作品の魅力もなかなか捨てがたい。
重厚さはないけれど、
夏休みのミステリとしては楽しめました。

※ボカディージョとかカフェ・コン・レチェとかモルシージャとかトルティージャとか、
スペイン語の食べ物の名前が出てくるのはなかなかうれしいです。
でも作中に出てくる「スパークリングワイン」ってのは、カバのこと?
ボカディージョが分かるんならカバも分かるような気がするけどなぁ。
ちなみに原題は La sombra del viento.
ほぼ直訳です。
del は 前置詞 de と 男性形定冠詞 el の縮約形です。
フランス語に似てますよね。

風の影〈下〉 (集英社文庫)

風の影〈下〉 (集英社文庫)

  • 作者: カルロス・ルイス サフォン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫


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わしはあんたの味方やで 「残花亭日暦」 [読書録]

残花亭日暦 (角川文庫)

残花亭日暦 (角川文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫

今日こそスペイン語の勉強!と思ったものの、
ついついやっぱり本を読む(笑)。
選んだのは田辺聖子の「残花亭日暦」。

長く活躍している作家なのですが、
本を読み始めたのは1年前くらいが最初。
豊崎由美の書評を読んでからかな?
なんせ流行作家であらせられるので、
週刊誌などで目にする機会は多かった。
でも、衣装やお部屋のインテリアや
ぬいぐるみや宝塚への愛など、
ことごとく私と相反するアイテムをお好みのようだったので、
敬して遠ざけていました。

が、読み始めると面白い。
もちろんテレビの「芋たこなんきん」も見ましたとも。
田辺さんのエッセイの印象は、
人柄とも重なりますが、
毒は少ないものの非常に芯が強く、
それでいて表面はおだやか。大人です。
キーキー、キャーキャーしてません。
けんかしません
(見習いたいところです)。

この「残花亭日暦」は、日常の雑記。
最愛のカモカのおっちゃんとの別れも含まれています。
しかし、それでも、「こんなに苦労してるの、
大変なの、辛いの」とは決して言わない。
うらみ、そねみ、ひがみ、ぐちがない。

病床のカモカのおっちゃんの言葉。
「かわいそに わしはアンタの味方やで」。
うーん。長年連れ添った妻にこうきたか。
不覚にも泣きそうになりました。
そしてスペイン語は明日から再開させます(たぶん、はい)。


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橋本治版 平家物語 [読書録]

双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)

双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本


幸い近所に図書館があるので、重宝してます。

その図書館の古典コーナーで発見。
橋本治の平家物語があるじゃないですか。
そう言えば平家物語って、能や歌舞伎でよく引用されてる。
ということは日本人の共通認識=常識とされているということ。
その割には、ちゃんと通して読んだことないなぁと、やや反省。

しかも以前に、同じ橋本治の「窯変 源氏物語」も読んだことがあって、
そもそもが長々しい源氏物語がよけいに長々しくなっていたんだけど、面白かった
(厚めの文庫本で14巻!しかも番外編も厚めの文庫本で2巻!)。

「源氏」のときもそうだったけど、
この「双調 平家物語」もオリジナルに手を入れて仕立ててるんだろうなぁと
思いつつ、手をとると最初に、蘇我氏の系図がはさみこまれてました。
なるほどー。外戚として威をふるった平家のモデルとして、
蘇我家の話から始めるわけねー。
「祇園精舎の鐘の声」から始めないのねー。面白そうだな。

書店だったらもっと立ち読みしてから(せめてパラパラめくってから)
買うものですが、図書館だとこの程度、ピンとくれば
借りちゃうんですな。

しかし!家に帰ってページを開いてみてびっくり。
蘇我家どころか、中国から始まってますよ!!!
平家物語をここから始めるか、橋本治!
しかしさすが中国、趙高、武則天、楊貴妃、玄宗などなど、
話がでかいです。
操ろうとする臣、操られまいとする皇帝、
操りの道具としての女、力を得て威をふるう女、倦んだ皇帝・・・。
皇帝の縁につながらなくても、
后から成り上がって女帝になっちゃうなんて日本には例がない。
面白いです!

で、結局、1巻の8割がたは中国で終わり、
最後のほうになって、ようやく蘇我一族の話が始まるのでした。
すでに2巻目も早く読みたくなってます。


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美しさを保つには [読書録]

私のパリ 私のフランス

私のパリ 私のフランス

  • 作者: 岸 恵子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/19
  • メディア: 単行本

以前、この著者の「巴里の空はあかね色」という本を読んだのですが、
まぁ、絢爛豪華、レトリックたっぷりの文章がやや苦手でした。
ただ、1957年というからもう50年も前!に単身渡仏してフランス人映画監督と
結婚、パリでの生活、離婚、子育て・・・などの華麗なる経歴、
そして衰えることのない美貌には注目せざるを得ませんでした。

この本は、フツーにパリガイドとしても読めますが、
フォトエッセイと銘打たれているように、
岸恵子の写真がふんだんに掲載されてます。
いやー、それが70代とはとても思えない美しさとスタイル。
スタッフクレジットを見るとヘアメイクはついていますが、
スタイリストはついていないので、すべて私服だと思われますが、
それもまたしっかりとお似合い。
自分を知って、洋服を選んでいるのだと思います。

この本で一番ひかれたのは、その美貌の維持力なのです。

くしくも本文中に、元夫、イブ・シァンピ氏が当時の妻、岸恵子について
触れている文があります。
「結婚して九年。既婚女性にしばしばあるあまり美しいとはいえない所帯臭さが
微塵もないのは不思議である。
それは、彼女のモラルが大変自由だからであろう」

なるほど・・・モラルが自由。
わかったようなわからないような。
しかし、書下ろしがほとんどないこの本ではありますが、
読んでみると「自由なモラル」がなんとなく感じられる気がします。
同じく夫の文章から
「彼女の大変パリっ子的な物事の見方、考え方などの底に、
つねに流れる日本的な魂は、おそらく何物によってもそこなわれない固さで、
いつまでも彼女の深みに存在してゆくであろう」
確か、「君の中の日本に勝てない」というようなことを後年、離婚するとき
口にしたようなことをほかの本で読んで気がします。

しかし本当に「他」(外国)を愛したり、理解したりするには、
「己」(日本)を知っていないと、愛していないと、できないことなのだと思います。
美しく装うにも、美貌を維持するにも、他国の文化を理解するにも、
まずは自分の拠って立つところは大切なのでしょうね。


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神保町には積まれてました [読書録]

前回、中野翠の新刊「よろしく青空」が、売り切れてる!
と、ちょっとぼやきましたが、
昨日、神保町の三省堂に行ったら、
しっかり平積みになってました。
あるところにはあるのだな。

毎度のことながら、感銘を受けつつ、笑わせてもらいましたが・・・

あの「姉歯事件」の小嶋社長の会社「ヒューザー」というのは、
human と user をくっつけて、縮めたものなんですって。
中野さんは
「Human user って言葉自体、わけわかんない。
ヨソの国の言葉を使って勝手に造語し、さらに勝手に短縮。
二重三重の改竄だ(?)」。
ははは、おっしゃるとおり。
(私は、これまた勝手ではありますが、ヒューザーってのは、広いマンションを
売る会社なので huge(巨大な)から造語したのだと思い込んでいました)
そして小嶋社長は「時代ズレした成りあがり者」として、人々に笑われている。

ただし、中野さんはこうやって笑っているだけでなく、
「バレさえしなかったら、小嶋社長だって十分「勝ち組」「上流」で通用したんじゃないか」
と、もうちょっと突っ込んでくれている。
「今の勝ち組、上流の実体というのは、そんなものなんじゃないか。
人品骨柄なんてまったく関係がない次元で騒いでいるのだ。
シミッタレた話じゃないか。小嶋社長を笑う資格がある人どれだけいるというのだろう」

ほかにも、トリノ五輪でフィギュアスケートだけ見る、
Jリーグは見ないくせにワールドカップは見る(しかも熱心に)。
(私といっしょだ・・・)。
サッカーのワールドカップは、若い男の国際見本市とも言われているらしいとか。

あー、やっぱり買ってよかった。
安心して年が越せる。



よろしく青空

よろしく青空

  • 作者: 中野 翠
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本


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読書録 堀江敏幸 [読書録]

久々に良い本を読んだ・・・という充実感を覚えました。

河岸忘日抄

河岸忘日抄

  • 作者: 堀江 敏幸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/02/26
  • メディア: 単行本


いつか王子駅で

いつか王子駅で

  • 作者: 堀江 敏幸
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 単行本

著者はフランス文学の教授ということは、知っていたのですが、
なんといいますか、フランス文学の臭みといいましょうか、
「おフランス臭」がしません。
自分もフランス語を習っておきながらなんなのですが、
世間一般に言われる「おフランス」のイメージが私はかなり嫌いです。
辻仁成のフランスでのエッセイなど見ると
「あほちゃうか」と思ってしまう質です。
(あ、また言わずもがなのことを・・・)

本当は秋の夜長の読書・・・といきたいところですが、
まだまだ蒸し暑い東京。
でも、こんな季節でも読書の喜びは得られるものです。


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英語達人、参りました [読書録]

英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語

英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語

  • 作者: 斎藤 兆史
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: 新書


副題が「あっぱれ、日本人の英語」。
私はフランス語を細々とやっていますが、語学学習の参考になるかなぁと
気軽に読み始めました・・が、出てくる「達人」の方々の
レベルが高すぎて、私のような凡人というか志の低い者には
関係ない世界が展開されておりました。

出てくる達人の方々は岡倉天心、新渡戸稲造、鈴木大拙、野口英世、白州次郎などなど。
幼少時に外国(英語圏)で暮らした人は一人もいないのですが、
この練達の英語の使い手に共通するのは、とんでもなくガリガリと勉強していることです。
その意志の固さと努力は、とても私などにはついていけません(才能も)。

ただ、この達人から学ぶとすれば(不遜ながら・・・)、
どんな環境でも勉強はできる(達人が全員恵まれた環境であったわけではない)、
ほとんどの人が多読をしている、
生半可な努力では、外国語を習得することは不可能である、
ということでしょうか。

著者の斎藤先生は常々おっしゃっているようですが、
コミュニケーション偏重の英語教育や、「日本の風土や言語文化を理解しない英米の学者が
開発した学習法や評価法」に疑問を投げかけています。

私など、もちろんこんなに驚異的な使い手にならなくてもいいのですが
(また、目指したところでなれないのですが)、
それでもやっぱり地道な勉強が不可欠・・・ということは納得いたしました。

※おまけ※
先週のNHK「英語でしゃべらナイト」を見ていたら、鈴木大拙の映像が出てきました。
英語圏に「禅」の思想を広げたのは、大拙の著書、Zen and japanse culture によるものだとか。
確かに5年くらい前でさえ、ニューヨークの書店でDaisetu Suzukiのこの本を見かけました。
(そのとき、Tenshin Okakuraの The book of tea もあった!)
読んでいる本に取り上げられている人の、貴重な映像を見ることができて幸運でした。


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